USER IMPRESSION

8cm Hi-End Fullrange drivers

 

音質の好み、感性は個人により異なりますが、

非常に正確な素晴らしいインプレッションです。

ドライバー選択の参考にしてください。


JM氏からの試聴報告4

 

ナラ集成材エンクロージャに入れた周波数特性を測定しました。

miniVTLの測定の時とは別な部屋で測定しました。

前回は,とてもデッドで,吸音処理 されている部屋で,

中低域のレベルが落ちることから,普通の家庭の洋室に変えました。

 用いた機器は同じで,ユニット軸上60cmにマイクをセットしました。


JM氏からの試聴報告3

今回は6リットルのナラ集成材によるバスレフで,

前回のminiVTLのときと同じ環境で,4つとも同じ条件で視聴しました。

今回も音楽の先生に協力をいただきました

 

JX6RHD

miniVTLの時の甘さがなくなり,素晴らしい粒立ちの良さと解像度を示した。

低音の量感は少ないがリアルである。

けっこう低いところまで伸びている。

神経質にならない高分解能な音で,生き生きとしており,

定位はピンポイントで決まりながら音場は広く,音の細かい粒子が散乱し,

豊かな広がりを感じさせる。

透明感,静寂感,空気感もVT-2SRに匹敵する。

立体感,躍動感も見事である。

ピアノは特に素晴らしい,弦をハンマーで叩く音から響板の振動まではっきり分かる。

神経質にならない,あたたかい音色感が実に心地よい。

女性ボーカルが引っ込まず,ハスキーにならず,楽器の音とも分離して浮かびあがる。

綺麗なビブラートの表現が素晴らしい。

 

VT-2SR

やはり,音出しをした瞬間から感じる高級感溢れる音である。

オーケストラの弦楽器が,何台あるかまで分かるような,高分解能・高密度な音。

荒さはまったくなく,神経質にならない。

オーケストラの空間表現が見事で,奥行きの深さも,飛び出す鋭さも表現できる。

ズシーンという低音まで良く出る。

木管のリードの暴れや弦楽器の弓のこすれまで

はっきり分かり,臨場感溢れる音である。

透明感,静寂感,空気感,立体感,躍動感,どれをとっても素晴らしい。

 

AudienceA3

低音が凄い。

ズシーンという低音が出るだけでなく,リアリティがあり,分解能も見事。

こんな分解能の高い低音は聞いたことがない。

恐ろしくリアルで超高分解能,音の密度が非常に大きい。

色気は感じないが,非常に美しい音である。

綺麗なエコーが出るが,余分な音は一切出さない。

ピアノはJXR6HDと同様,弦をハンマーで叩く音から響板の振動まではっきり分かる。

 

考察

トータルすると・・・・

今回は,重く硬い2cm厚のナラ材を使い,非常に剛性が高く,

あいまいのないエンクロージャであるため,

ユニットの特質がストレートに出たようである。

VT-2SRAudienceA3は,相変わらず素晴らしい音で,

miniVTLに比べ低音の量感は減るものの,あいまいさのない非常に質の高い低音で,

中高音も一段と分解能を増している。

どちらも甲乙がつけがたい。

 

JXR6HDは,今回,最も良さを発揮した。分解能・高密度が前面に出るようになり,

VT-2SRAudienceA3と甲乙付けがたく,低音が出ない分,

生き生きとした表現力では勝り,

コストパフォーマンスではVT-2SRAudienceA3を上回っていると思う。

素晴らしいユニットだと思います。

  

miniVTLとの比較では,VT-2SRAudienceA3は今回のバスレフエンクロージャが良く,

 JXR6HDについては,miniVTLをブナ合板等のしっかりした板で作るか,

ダブルバスレフ あたりにする。

または,低音を諦めてウーファーを加える,ということでしょう。

 

参考

エンクロージャ

15cm,高さ30cm,奥行き25cm,板厚2.0cm,ナラ集成材,タイトボンドで接着・木ネジ併用

内部:リノキシン コーパルシェラックニス,外部:ワトコオイル・ナチュラル

ダクト:内径3.0cm,長さ10cmfd54Hz1cm厚木管使用

 

アンプ,CDプレイヤー,視聴CDは前回のminiVTLと同じ

 

なお,AudienceA3には,6リットルエンクロージャには,内径3.0cm,長さ16cmfd45Hzのダクト

が指定されていますが,今回は他のユニットのおよその最適値である10cmに固定しました。

 次回は,ダクトの長さを変えながら周波数特性の測定をします。

 


JM氏からの試聴報告2

 

ハイエンドスピーカーの周波数特性を測りました。

すべて,ユニットの軸上80cmにマイクをセットして測定しました。

 

吸音処理をしてあるデッドな部屋だと思っていたのですが,中高音は反射が少ないものの,

低音はけっこう反射があり,定常波が生じているようです。

それでも,各ユニットの持ち味は表れていると思います。

 

この周波数特性をどう見るかについて,細かいコメントは避けたいと思いますが,

やはり,AudienceA3VT-2SRは低域が強いこと,JXR6HDにスムーズさが分かります。

 

いずれにしても,共鳴管タイプのエンクロージャで,

吸音材は少なめにしてる割には滑らかな周波数特性で,

VTLの設計が素晴らしいことが分かります。

 

測定機器

マイク:べリンガーECM-8000

オーディオインターフェース:M-AUDIO Fast Track Pro

使用ソフト:MySpeaker


JM氏からの報告です。

(今回の試聴は,音楽の先生にもご協力をお願いしました)

 

4つの8cm高級ユニットの比較試聴を行いました。

すべて8リットルminiVTLにサブバッフルで固定し、

同じ条件で試聴しました。

 

JXR6HD 

 クラシックでは,それほど低音は出ないが,豊かな広がりを感じさせる。

自然な音でエコー,ホールトーンが綺麗に出る。

分解能は非常に高く,ティンパニの連打は最も生々しい。

オーケストラの各パートが明晰に分離し,きっちり浮かび上がる。

ピアノは響板の振動まで分かり,生々しいがコロコロ転がり弾み,楽しい。

木管の音は非常に美しい。

ポピュラーでは,エレキギターのディストーションは心地よく響き,

その中から女性ボーカルがやや細めになるが,くっきり浮かび上がる。

トータルでは,分解能が高く,明晰な音であるが,心地よい音である。

 

VT-2SR

 音を出した瞬間,高級感溢れる音に驚く。

重低音まで良く出る。全域にわたって歯切れ良く,明瞭でクリアーな音。

超高分解能で,様々な楽器の音が明瞭に浮かびあがり,全く混濁しない。

また,静寂感があり,上品であるが,静かな中から音が出てくるので,

音量を上げなくともダイナミックである。

エレキギターのディストーションは生々しすぎて,不快なほどである。

個々の特徴を云々することが不要な程,ただただ素晴らしい。

 

AudienceA3

 

低音の量感,伸びとも図抜けており,共鳴管ながら,低音の分解能もすばらしい。

高域の超高分解能も見事で,消え入る余韻の表現も見事で,

静寂感もVT-2SRと双璧をなす。

低域が伸びるせいか,ティンパニの明瞭さはJXR6HDが上である。

木管は柔らで美しいが,全くボケない。ピアノの音も素晴らしい。

静寂感,ダイナミック感,不快なまでのエレキギターのディストーションなど,

VT-2SRに次ぐ。

箱の板が薄く表面積が大きいことから,箱鳴りがあるため,

これまで入れていた3Dスパイラルよりは柔らかい音。

分解能も劣るが,他よりは上である。

  

以上の4つと,その都度切り替えながら

9リットルJSP箱に入れたVifa MG10-SD09を試聴し,比較した。

MG10-SD09は,中庸で,表現力が豊かなことから,

リファレンスとして立派に通用するものである。

ただ,相手が悪すぎる。

比較するのがかわいそうである。

量感を感じる低音は最も豊かに出る(50100Hzがしっかり出る)ので,安心感がある。

しかし,それ以下の重低音は感じられない。

落ち着いた音であるが,リアルさ,明瞭さも欠ける。

オーケストラの各パートが浮かび上がらないが,

融合して心地よい響きである。

薄い音であるが,柔らかく,安心して聞ける。BGMには良い。

 

 

トータルすると,

VT-2SRAudienceA3が厚い低音の上に安心感のある余裕の音である。

VT-2SRはオールマイティで,すべてに素晴らしい。

AudienceA3は低音のリアリティ,中高域の分解能はVT-2SRに勝るが,

自然な響きではVT-2SRに劣る。

トータルでは同等である。

JXR6HDは,低音が弱い分,音の安定感は上記2つに劣るが,

他はVT-2SRに匹敵するオールマイティなユニットである。

 

以上,miniVTLという,ちょっと特殊な箱に入れた視聴結果ですが,

次回は6リットルのナラ集成材エンクロージャに入れて比較しながら聞いてみます。

 

参考

miniVTL・・・・・JX92S用のVTLを参考に,12mm厚のシナ合板で作ったもの。

外寸は幅22cm高さ60cm奥行き10.4cmで,音道は約1.7m

開口はサイド下で,幅1.5cmに絞ってある。

テストのため薄い板で作ったので,

箱鳴きを防ぐため,砂入り塗料(サンドスケープ)で塗装。

今回は,厚さ1cm11cm×11cmのハードメープルのサブバッフルに

それぞれのユニットを固定した。

 

試聴機器

アンプ・・・・・自作(PowerMosFETA級終段NoNFB安井式改造)

CDプレイヤー・・・・・エレキットTU-876CD改造

 

試聴CD

ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団,モーツァルト交響曲第38

小沢征爾指揮サイトウキネンオーケストラ,ブラームス交響曲第1番

エリックハイドシェック(ピアノ),ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団,モーツァルトピアノ協奏曲第23

ZARD シングル・ベスト・コレクション